金門の旅日記


Part 1

Flight Path :  (go;  6/29) 台北松山空港 11:15 ⇒ 金門尚義空港 12:10    遠東航空
               (back; 6/30) 金門尚義空港 12:10 ⇒ 台北松山空港 13:05    復興航空
  Travel Purpose :  鄭成功の遺跡を訪ねる

Part 2

2005年6月29日

金門島・台湾の概念図

昨夜23時ごろ土砂降りの雨のなか台北に着き、目当てのホテルに宿泊した。 ホテルは夜遅い到着を考えて日本から電話しておいたが、空室が多くて電話予約の必要はなかったようだ。 台北から金門島への航空便は台湾国内便になり、あまり搭乗客もいないだろうと自分勝手に決めて、空港へ行けばすぐ乗れると思いこんでいた。 翌朝、目がさめたら空は暗く雨がバサバサ降り、風もかなり吹いている。金門島への飛行機は飛べるだろうかと心配になり、 少しでも早く飛行場へ行って様子を見ようと、朝食もとらずにホテルからタクシーで国内線の松山空港(台北航空站)へ150TWD。

松山空港(台北航空站)金門行き遠東航空MD型(143名乗り)

am 7時30分ごろ空港に到着、台北航空站は台湾国内線のメイン空港のせいか大勢の人で賑っている。 金門島への搭乗券を求めて復興航空のカウンターへ行き1枚リクエスト、カウンター小姐は冷たく『10:15 発までは満員です』。 それなら他の航空会社があるとまだ気楽にかまえていた。(台北-金門の空路は、復興、遠東、華信、立榮の4社が1日14往復飛んでいる) 隣の華信航空のカウンター小姐はパソコンをたたいて『16:15 しかありません』、立榮航空は 15:10 までない。 最後に遠東航空でリクエストしたら『11:15発があります』。助かったよかったと購入して、2階の出発コンコースへ行き朝食をとった。 しかし、よく考えると搭乗まで3時間半も待つことになる。諦め気分で待つこと1時間、キャンセルでもないかと再び復興航空カウンターへ、聞いてみると1時間前には満席だった10:15 発がいまは空いているとのこと。 遠東航空の搭乗券を出して交換してくれと頼んだが、『航空会社が異なると交換できない』と2人のきれいな小姐が言うので諦めた。
金門島への航空機がどうしてこんなに混んでいるのだろうか不思議に思い、しばらく観察いていると台湾人の団体ツアー客が金門行き各便に搭乗するため待合室へ入ってくる。 ツアー添乗員に聞いてみると金門島へ飛ぶ団体客は観光ではなく、金門島の港から船で厦門へ渡るとのこと。 近年、台湾と大陸との間ではじまった「小三通」とのこと。そういえばどの客も大きな手荷物をもっていた。
11:15の遠東航空MD型ジェット機(172人乗り)は定刻に金門尚義空港に到着した。予想していたことだが日本人客は私1人だけ。 途中天候が悪く到着するまで下界の景色はなにも見えなかった。、金門空港の外には団体客用の(空港→埠頭)連絡バスが3台待っていたが、それには一般客は乗れないので、路線バスが来るのを待って、金城鎮へ。 途中埠頭へ寄るので、そこで下車して様子を見ると厦門へ渡る人が大勢おり、添乗員がパスポートの点検をしていた。

空からの金門島(料羅湾)フェリー待ちの団体客(厦門へ行く台湾人)

いつものことで、1人旅の気楽さからホテルの予約はしていない。金城の民族路にある宏福大飯店行き『有没有空単人房間?』『有』部屋はがら空き状態だった。 ここのフロント小姐(40代の叔母さん)は、きまった北京語は理解するが、その他は殆どびん南語*1で対応している。 細かいコミニュケーションがとれずこれには困った、もちろん日本語、英語はだめ、あとは手振り身振り。宿泊料は1,000TWD (\3,500.)部屋は古く、きれいでない。 もっと街を探索すればよかったと悔やんだ。近くにある金城旅館は小さいが綺麗で、経営者は運営に積極的なようだ。

宏福大飯店金城旅館

金門島の面積は、(瀬戸内海にある)小豆島とほぼ同じであるが、小豆島のような高い山はない。 土質は赤鉄鉱系の粘土質でどこも真っ赤。名所旧跡を廻るのにはバイクが最適と思い、街の中をあちこち探すと、自転車屋に貸出用のスクーターがある。 借りたかったが国際免許が通用しないので諦めて(以前は免許なしでも貸してくれたようだが、最近は当局の取締りがきつい)歩くことにした。 タクシーは流しはないし、メーターもなく、いちいち価格交渉する面倒くささがある。大陸のようにバイクタクシーがあると便利なのだが。 ホテルの部屋から有名な「ろ光楼」*2が見える、ここは金門を象徴する古代宮殿式建築で正面石段下の両脇に大砲がある。 むかって左には楽しみにしていた「鄭成功の礼砲」があった。艦隊の出港帰港に使ったそうだ。

邱良功母節孝坊鄭成功の礼砲、後ろは「ろ光楼」*2公衆電話ボックス

金門島で最も賑っている街は金城で"民族路″の東門市場や邱良功母節孝坊のある"ろ光路″"中興路"あたりが繁華街になる。

東門市場付近中興路
模範街金永利鋼刀店に並べてある中共の砲弾

2005年6月30日

朝5時に起床、鄭成功ゆかりの「延平郡王祠」を目指してウォーキング。 ホテルの叔父さんに聞くと約25分の距離、概略図で方向を定めて歩く、石雕公園に着いたら方向がわからなくなった。 公園で太極拳をしてる人に北京語で聞いたら、親切に北京語で道を教えてくれた。教えてくれたとおりの道を10分程行くと、入り江に出た。 そこには警告の立札があり「地雷が埋設されているから入るな」と書いてある。よく見ると水際には 3m おきぐらいに黒ずんだ杭が連なっている。 改めてこの地は国境最前線の島であることを認識さされた。
なだらかな丘陵の上に「延平郡王祠」は祀られていた。境内では早朝にもかかわらず5人の老人が木陰でお茶を飲みながら世間話に花を咲かせている。 廟内で鄭成功の説明を読んでいると、1人の男性が来て鄭成功の功績を北京語で説明してくれた。ときどき質問をすると、彼は益々詳細に話をしてくれる。 そのうちに『あなたは何処から来たの?』『日本から』『ええっ、あなたは日本人ですか? てっきり中国人だと思っていた、顔つきといい、言葉といい』 後で聞くとこの人“林”さんで連れの女性は“楊”さんという。隣のテーブルでお茶とお茶菓子をご馳走してくれた。 謝謝! 帰りの道をせっせと歩いていたら、後ろからトヨタ・センチュリーで追いついた林さん・楊さん『ホテルまで送るから乗りなさい』ありがたく乗せていただいた。またまた謝謝!

地雷注意の警告板延平郡王祠楊さん、林さん

金門島の尚義空港へは金城バスターミナルから路線バスで。料金 24TWD、約20分で到着した。昨日の松山空港と違ってここから台北へはどの便も空席があり、よりどりみどり。 使用機種A321(194人乗り)の復興航空の搭乗券を購入。1,975TWD 不思議なことに来る時と値段(2,079TWD)が違う、聞いてみたら金門島からは免税になっているとのこと。 帰りの航空路は天候がよく膨湖島、濁水渓がよく見え、暫くすると石門水庫の上空を経て松山空港へ無事着陸した。

金門島のスナップ

風獅爺(fengshiye)風獅爺風獅爺
金門の古い家屋天后宮金門鎮総兵署
*1 びん南語の“びん”は、門のなかに虫
*2 ろ光楼の“ろ”は、クサ冠に呂