鶴林寺・慈眼寺

県道16号線にある勝浦町生名の大銀杏から登ること5.0km で四国霊場第20番札所の鶴林寺に着く。 ここには貴重な"三重塔"がある。
鶴林寺の奥の院は、勝浦町の隣町(上勝町)にある慈眼寺。ここは別格霊場第3番と"穴禅定"で 有名になっている。穴禅定は僅か100m程の洞窟(1億5000年前にできた鍾乳洞)だが岩の隙間が狭いため 洞窟案内人の指示に従って手足を動かさないと身体が岩に挟まり動けなくなる。

鶴林寺

「お鶴さん」と呼ばれる遍路の難所で、海抜570mの山頂までの表参道5.0kmは胸つき八丁といわれる 急傾斜の山道であったが、近頃は自動車道が開通して、10分たらずで山門まで行ける。 仁王門より杉や松の参道をゆくと六角堂、修行大師像などがあり、右手石段の上に三重塔と本堂がある。 本堂の前に2羽の白鶴が向かい合っている。この寺で修業していた空海は、黄金の地蔵菩薩が老杉に降臨し、それを二羽の白鶴が翼をかざして護っているのを見た。 歓喜した空海は約 1m の地蔵菩薩を刻んで、その胎内に黄金像を納め本尊として、霊鷲山鶴林寺とした。 後に弟子の真然が七堂伽藍を完成させ、平城、嵯峨、淳和帝など天皇が尊信を寄せた。また源頼朝、義経、三好長治、蜂須賀家政などの 武将も帰依して伽藍の修築や寺領を寄進して保護したため、今なお古色蒼然とした堂塔、寺宝が 往古の姿をとどめている。山内には大勢が泊まれる宿坊もある。

 
本堂と三重塔本堂前の鶴

三重塔
文政6年(1823) に建造された。各層は和様、唐様と、それぞれに異なった建築手法をとっている。
江戸末期における代表的建築物であり、藩政時代に建造されたもので現在残っている貴重な建造物。
霊鷲山 鶴林寺
徳島県勝浦郡勝浦町鶴山14
TEL. 0885-42-3020


慈眼寺

慈眠寺じげんじは高野山真言宗に属し、山号を月頂山、院号を宝珠院という。延暦年間(782-805)空海19才のとき、末代衆生の生活苦、 病苦等一切の苦厄を除くため当地を巡業していたとき、深山霊谷の奥に霊気漂う不思議な鍾乳洞を発見し(穴禅定)、 邪気祓いのため洞窟の入口で護摩祈祷の修行をした。ある日、洞窟内に巣くっていた悪竜が現われ出て、空海めがけて猛然と襲いかかったが、 ひるまず真言密教を唱え、悪竜を洞窟の壁に封じ込め21日間の加持をして、さらに霊木に一刀三礼して十一面観音を刻み本尊とした。
本堂大師堂穴禅定への登り口
穴禅定入口穴禅定の内部潅頂ヶ滝

月頂山宝珠院慈眼寺
徳島県勝浦郡上勝町大字正木字灌頂滝18
TEL. 0885-45-0044


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