山中家住宅


石鎚山系の東側にある海抜700mの山間農家で、
江戸中期のの歴史文化を偲ぶことができる。


山中家住宅

高知県吾川郡いの町越裏門(旧本川村越裏門)にあり、昭和47年(1972)重要文化財指定された。 周辺は民家40戸程度が山合に点在する小部落である。
山中家住宅は山の南側斜面に高造りの屋敷構えで、日当たりを工夫している。背面には防風林を有している。この住宅には、 明和6年(1769)の位牌が残っていた。そのことから江戸時代中期の建築と推定されて、高知県で最も古い茅葺き寄せ棟造りの 民間住宅といわれている。


住宅は当地の山間環境を考慮して、平野部の民家に見られる「土間」部分に替わる床板張りの「よま(余の間)」がある。 全体に部屋数が多く、6室あるのは物置(農作物の取入れ)を兼ね合せたためと思われる。また炊事場を母屋内に設けないで、 谷間の水を利用する山間部独特の慣わしを受け継いでいる。
軸部材は総体に木割が太く、上質材を使用し、足固めに柱を貫通する腰組、差物や梁上中央に架けている。 平角断面の大梁の中重(なかじ・中地)等の構架、工法は土佐の古民家特有のものである。
  住宅は建築されてから柱間装置、軸組の一部その他にも部分的な改造、改変がなされており、西側面に炊事場、 物入れ等を下屋として建て増しされていたが、全体としては建築当初の状態を留めている。

家屋見取図

東面南面茶の間



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