秀麗な形から爺神山は高瀬富士と呼ばれており、讃岐七富士の一つに数えられている。しかし昭和35年ごろから始まった
採石により、山肌は削られて山容がすっかり変わり、美しい面影はなくなっている。南側からの掘削で、南半分と頂上は完全に無くなっており、見るも無残な山容になっている。
美しい故郷の山を削ってしまうことを誰が許可したのだろうか。
爺神山の名前の由来は神代に伊邪那岐命が降臨した父神山が爺神山と呼ぶようになった。また、観音寺市池之尻町の
母神山とともに夫婦山としても知られている。
登山口は大師堂の横から右に入り、勾配のあるジグザグ道を登る。20分ぐらいで頂上に着く。嘗て詫間弾正景長の居城が山頂にあり、城郭の石垣や雨乞いをした狼煙台の遺跡が
残っている。
山頂付近は採石で2段に削り取られてほぼ平地になっており、目を覆いたくなるような無残な形態を曝している。
山の中腹には江戸中期ごろに設置されたミニ88ヶ所霊場石仏があり、山を一周するように道になっている。また、この山は鈴石が採取できることで有名で、
鈴石探しがブームになったことがある。鈴石とは、球ないし楕円体の径3〜6cmの中空の土塊で、粘土や砂が固まってできた鉄分の多い結核体が中に残り、振ると鈴のように音を
だす。山への登降中、周辺を探してみたがなにも見つからなかった。