なだらかで円錐形のビュート山塊で、陶富士とよばれている。この山の周辺には府中湖や北条池などの水場が多く、
それらと十瓶山の水とみどりが一体となった潤いのある風景を創り出している。標高は 216m ながら讃岐七富士に勝るとも劣らない美しい山といわれている。
十瓶山では良質の粘土が産出されたことから、付近一帯で古代より須恵器が生産されており、近くの綾南運動公園内には "すべっと窯跡" など
多くの窯跡が発見されている。
須恵器は、古墳時代中期(5世紀)に、朝鮮半島から伝わった青灰色の素焼きの土器で、平安時代まで使われていた。1000℃以上の高温で焼くため、登り窯が必要になる。
十瓶山の周辺には高温に耐える良質の粘土と燃料となる大量の樹木に恵まれていた。現在100か所以上の窯跡が見つかっている。陶という地名は、須恵器の一大生産地であった
といわれている。
南登山口は、綾川町立陶保育所の近くにあるミラー柱に取付けてある標識に従って住宅地の路地を登る。登山路は十瓶観音堂の横を通り、整備された路をほぼ直登しているが、
頂上近くでやや蛇行して高越社(古い祠)に到着する。下山路は、火山穴跡のような切立ったガレの横を落葉で滑り易い路を降る。途中に鷲ノ山への分岐点を通過し、
大きな地神宮石塔と龍王石塔(善如龍王・大久保龍王・八代龍王)の前に出る。ここからは道幅が広くなり十瓶団地集会場まで続く。