Last Update: January  28,  2018
Since: Janyary   20,  2018

    太田切川おおたぎりがわは、一級河川で、長野県駒ヶ根市・長野県上伊那郡宮田村を流れて、天竜川に流れ込んでいる。
中央アルプスの木曽駒ヶ岳を源流としており、千畳敷カールからの中御所川、伊那前岳からの北御所川、空木岳からの本谷が合わさり、 さらに駒飼池・濃ヶ池からの黒川を合わせて東に流れて中央自動車道をくぐり、天竜川へ合流している。 太田切川の源流は花崗岩地帯の雪渓で、川底に転がる岩石は大きく美しい。源流から黒川合流点までの間の河川勾配は2分の1から5分の1の急勾配であるが、 それより下流の勾配は緩くなり、河口近付では川幅が広くなり、砂礫が散乱した状態になっている。

太田切川の扇状地がある駒ヶ根高原は、南アルプスと中央アルプスの2つが映える雄大な景色がある。冬にはスキー場や温泉もあり、素晴らしい自然を思う存分 堪能できる。ここにある早太郎温泉郷には、10軒ほどのホテルや旅館がある。温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器病、 美肌効果もあると言われている。
また、この地には有名な早太郎伝説があり、光前寺が舞台となっている。この寺は、860年に本聖上人により草創された名刹であり、不動明王を本尊として祀っている。 戦国時代には武田家・羽柴家などの武将の保護を受けており、その後の徳川家からは破格の60石の寺領と10万石の大名格を与えられるなど隆盛を極めた。
境内には樹齢数百年の杉の巨木があり、10余棟の堂塔を備えた長野県下屈指の寺である。現在、境内全域が名勝庭園として国の文化財に指定されている。



太田切川扇状地のルート図/航空写真
Track-Log by Garmin [etrex VISTA HCx]




名 称太田切川・早太郎温泉郷
標 高850m
場 所駒ヶ根市赤穂
見 学2018.01.21



コースタイム
[駒ヶ根橋〜二人静]    駒ヶ根橋 →00:06→ こまくさ橋 →00:07→ 松雲閣 →00:05→ 駒ヶ根橋 →00:02→ 二人静


     
太田切川と吊橋扇状地こまくさ橋(吊橋 146m)
土石流堆駒ヶ根橋と中央アルプス宝剣岳(中央 2933m)と前岳(右 2883m)

中央アルプス 宝剣岳


Comment:  駒ヶ根高原には中央アルプスの千畳敷カールを水源とする太田切川が流れている。この川の源流は花崗岩地帯の雪渓で、川底に転がる岩石は大きい。 源流から黒川合流点までの河川は、河川勾配が急であるが、それより下流の勾配は緩い。河口に近付くと川幅が広くなり、砂礫が散乱した状態になっている。 駒ヶ根高原には、太田切川が川幅を広げた扇状地がいくつか目に付く。こまくさ橋(吊橋)の近くの菅の台切石公園には、切石・重ね石・地蔵石・袋石・ござ石・ 蛇石・小袋石という七名石ななめいせきが点在している。
これらの石は、氷河と洪水の力によって千畳敷から運ばれてきた石である。太田切川扇状地を造る巨石は、約10万年前以降、中田切川まで広がっている。 七名石のうち切石の直下には活断層があり、地盤の山側が高くなっている。地盤の鳴動で上に載っていた巨石が割れたものと考えられている。伝説では、 刃物で縦に切ったように真二つに分離していることから、武蔵坊弁慶が試し切りした… とか。

  
切石重ね石地蔵石





名 称駒ヶ根高原
標 高950m
場 所駒ヶ根市赤穂
見 学2018.01.21



     
南アルプス 仙丈ヶ岳 (3033m)白峰北岳 (3192m) ・間ノ岳 (3189m)北岳 (3192m) ・間ノ岳 (3189m) ・農鳥岳 (3026m)
山野草の宿 二人静駒ヶ根ビューホテル 四季駒ヶ根ファームス


逆さ中央アルプスを映す… 駒ヶ池


Comment:  晴れた午後に、二人静(山野草の宿)の4F洋室から、東方向に南アルプス連峰が広がる。 左から甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・北岳・間ノ岳・ 農鳥岳の雄大なパノラマが目に映る。 嘗て厳冬期の仙丈ヶ岳、白峰3山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を登った記憶が甦ってきた。
翌朝には、宿舎の廊下側の窓を開けると、中央アルプス連峰が眩しく広がる。左から空木岳(2864m)・熊沢岳(2778m)・宝剣岳(2933m)・前岳(2883m)が眺められが、 盟主の木曽駒ヶ岳(2956m)は前衛の山に阻まれて目に映らない。木曽駒ヶ岳への冬季登山は、中央本線上松駅から敬神の滝小屋まで歩いて、ここをベースにして 木曽駒ヶ岳・宝剣岳を往復した記憶がある。
駒ヶ根高原にある“駒ヶ池”の水面には、逆さ中央アルプスが映るので有名になっている。






中央アルプス千畳敷カールのIMAGE

  
厳冬期の宝剣岳 2,933 m
Hokendake-mountian of winter
冬季の千畳敷カール
Senjyoshiki-Kar in winter
夏季の千畳敷カール
Senjyoshiki-Kar in summer




【参考資料】
  • 駒ヶ根市誌編纂委員会 『駒ヶ根市誌 現代編上巻』 駒ヶ根市誌刊行会   1979
  • 下平眞樹 『太田切川扇状地の切石巨礫群の層位学的位置』 伊那谷自然史論集 12  25〜31  2011
  • 駒ヶ根市誌編編纂委員会 『駒ヶ根市誌 現代編上巻』 駒ヶ根市誌刊行会  1979
  • 中部電力30年史編集委員会 『中部電力30年史』 中部電力          1981
  • 駒ヶ根観光協会    『駒ヶ根観光総合パンフレット』                2018
                  


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