Last Update: December 26, 2016



石清尾山には、4世紀から7世紀にかけてつくられた200基余りの古墳があり、ここには盛土墳と積石塚がある。積石塚は4〜5世紀に築造されており、 全国的に珍しい双方中円墳がある。 積石塚古墳の存在は、この地区に豪族がいたと考えられる。5世紀の中頃になると積石塚は縮小され形も円墳となった。これは石清尾山の豪族の衰退が よみとれる。5世紀の終りには積石塚古墳はつくられなくなり、その後、石清尾山に古墳がつくられるようになるのは、約100年後に盛土で横穴式石室をもつ 古墳が現れた。石清尾山古墳群は、極めて特色があり、日本の歴史上貴重な古墳群といえる。
文化財保護協会の会員25名は、峰山公園に集合して、民家の庭先にある石清尾山2号墳・3号墳から現地研修をした。尾根筋に並んでいる積石塚古墳群は、 双方中円墳・前方後円墳・方墳などいろいろな形状の古墳があり、心行くまで見学・確認した。特に、猫塚古墳と鏡塚古墳は全国的にも珍しい "双方中円墳" であった。

石清尾山の航空写真・地図


峰山公園 ⇒ 石清尾山2号墳 ⇒ 猫塚古墳 ⇒ 姫塚古墳 ⇒ 小塚古墳
⇒ 石船塚古墳 ⇒ 鏡塚古墳 ⇒ 北大塚古墳 ⇒ 駐車場


(Marked by Garmin GPS)


@石清尾山2号墳A猫塚古墳B猫塚古墳C姫塚古墳
D小塚古墳E石船塚古墳F鏡塚古墳G北大塚古墳


@石清尾山2号墳民家の庭先にある直径10m、高さ2m の盛土墳で横穴式石室の全長は 6.57m。出土品は須恵器・金環・ガラス小玉が あった。近くには3号墳がある。
A猫塚古墳全長96mの双方中円墳。麓の鶴市村村長の号令で大がかりな盗掘が行われ、鏡等多量の副葬品が掘出された記録が ある。この行為により積石塚が大きく破壊された。
C姫塚古墳全長43mの前方後円墳。前方部が向く西が低いため、より多く石を積み外形を整えている。
D小塚古墳全長17mの前方後円墳。最も小型の前方後円墳で、尾根道が墳丘上を通っており、荒廃している。
E石船塚古墳全長57mの前方後円墳。前方部が細長く伸びた、柄鏡式の前方後円墳。盗掘のため割竹式石棺が露出している。
F鏡塚古墳全長70mの双方中円墳。猫塚古墳とともに全国的にも稀な形態をしている。尾根の最高点に立地している。
G北大塚古墳全長40mの前方後円墳。隣接した北大塚東・西の小型古墳が附随している。北大塚東古墳は方墳。

猫塚古墳の双方中円墳平面図鏡塚古墳の双方中円墳平面図2号墳から出土した金環