湖東三山の紅葉 

Last Update : Dec. 14, 2006

好天に恵まれた秋の一日(11/21)、滋賀県にある紅葉で有名な湖東三山(西明寺、金剛輪寺、百済寺)を廻った。 混雑を避けた月曜日だったが、大変な数の観光客が押し寄せていた。殆どの人が紅葉見物目的で、どこへいってもカメラの放列ができていた。それにしても綺麗な紅葉で、こんなにも美しいものとは思いも及ばなかった。歴史や文化財も検証できて大変楽しい一日でした。



アクセス: 車- 名神高速道路"八日市IC"から国道307号
       JR- 東海道線彦根駅からタクシー20分

龍應山

西明寺

“さいみょうじ”は平安時代に三修上人が開創し、室町時代には300の僧坊があったといわれている。
戦国時代にはいり織田信長の比叡山焼き討ちがあり、そのおり旧勢力に加担して敵対したので、この寺もまた焼き討ちにされた。 本堂、三重塔、二天門はそのときの火災をなんとか免れて現存している。江戸時代になって南公坊天海(天台宗の僧)らの口添えで復興した。

本尊…薬師瑠璃光如来
国宝…・本  堂: 鎌倉時代初期に飛騨の匠が建てた純和様建築で釘を使っていない。屋根は桧皮葺き。
・三重塔: 鎌倉時代後期に飛騨の匠が建てた純和様建築で総桧造り。

所在地:滋賀県犬上郡甲良町池寺26   Tel.0749-38-4008   http://www.saimyouji.com


松峰山

金剛輪寺

“こんごうりんじ”は天平時代に行基が開山し、現存する聖観世音菩薩も行基の作といわれている。850年に延暦寺の自覚大師が赴任したことで天台宗となった。 本堂大悲閣は1288年に建造されたもの。
戦国時代には旧勢力の佐々木、六角、京極などに軍資金や兵糧米を供出したり、この寺自体も衆徒僧兵を貯え武装して、観念論(宗教)を後ろ楯にして改革勢力の織田信長に反抗した。 その報いとして予想もしなかった焼き討ちにあい大敗した。なんとか本堂、三重塔、二天門は焼け残って現存する。江戸時代になって復興した。

本尊…聖観世音菩薩
国宝…大悲閣本堂:鎌倉時代の代表的な和様建造物

滋賀県愛知郡秦荘町松尾寺873   Tel.0749-37-3211   http://www.kongourinji.org



釈迦山

百済寺

“ひゃくさいじ”は聖徳太子の願いで百済人のために創建され、供養には百済(くだら)の僧を任じたので百済寺といわれた。 平安時代になり比叡山延暦寺が開創されると、その影響を受けて天台宗となった。一時は湖東の小叡山といわれるほど壮大な寺院となったが、自らの失火で建築物の殆どを焼失した。 その後再興したが、戦国時代にはいって時代の変化が見えない僧の指導のもと、旧勢力の佐々木義治などに肩入れして鯰江城への兵糧や武器の援護をしたため、 改革勢力の織田信長に全山焼亡され敗北に帰した。以後10年あまり荒涼人影をみぬこととなっていた。その後、堀秀政により仮本堂が建てられた。江戸時代には、甲良宗広により現存の本堂、仁王門、山門などが構築された。

本尊… 十一面観世音菩薩

所在地:滋賀県東近江市百済寺町323   Tel.0749-46-1036   http://www.hyakusaiji.or.jp
「下乗」小野東風の直筆といわれている