Last Update: October  29,  2017
Since: October   25,  2017

    神仏習合により真言宗の象頭山松尾寺金光院となり、象頭山金毘羅大権現と呼ばれた。しかし、明治初年に維新政府が天皇の神権的権威の確立のためにとりいれた神道保護と 仏教抑圧のための宗教政策である神仏分離令により、宗教法人金刀比羅本教の総本部となり、全国にある金刀比羅神社、琴平神社あるいは金比羅神社の総本宮である。
金比羅宮は、海上交通の守り神として信仰されており、漁師、船員など海事関係者の崇敬を集めている。時代を超えた海上武人の信仰も篤く、戦前の大日本帝国海軍の慰霊祭 だけではなく、戦後の海上保安庁の掃海の殉職者慰霊祭も、金刀比羅宮で開かれている。
本宮の近くにある絵馬殿には航海の安全を祈願した多くの絵馬がある。また、古くから参拝者や金毘羅講に代表される崇拝者が多く、参道には当時を偲ばせる燈籠などが 多く残っている。長く続く参道の石段は本宮まで786段、奥社まで1,368段ある。
金刀比羅宮の由緒はいくつか説がある。一つは、大物主命が象頭山に行宮を営んだ跡を祭った琴平神社から始まり、中世以降に本地垂迹説により仏教の金毘羅と習合して 金毘羅大権現と称したとする。もう一つは、もともと象頭山にあった真言宗の松尾寺に金毘羅が鎮守神として祀られており、大宝年間に修験道の役小角が象頭山に登った際に 天竺毘比羅霊鷲山(象頭山)に住んでいる護法善神金毘羅の神験に遭ったのが開山の縁起との伝承から、これが金毘羅大権現になったとしている。更に別の説では、 生駒記讃陽綱目の金刀比羅宮の項には、延喜式神名帳に名がある讃岐国多度郡の雲気神社が金刀比羅宮という記述がある。またまた別の説では、海上交通の守り神とされている のは、古代には象頭山の麓まで入江が入り込んでいたことに関係があるとされる説がある。大物主命が「海の彼方から波間を照らして現れた神」であったと考えられている。


金刀比羅宮の航空写真・地図 (赤線は神椿ルート表示)
Track-Log by Garmin [etrex VISTA HCx]


・参詣道
 参詣道は金毘羅街道とも呼ばれ多くの燈籠が設置され、丸亀や多度津の港は参詣道口として栄えた。参詣道石段の両側にある土産物店では杖を貸している。
・鼓楼
 参詣道途中の大門の傍にあり、時太鼓は現在でも朝夕に打ち鳴らされている。鼓楼が城に似ていることから、琴平城ともいわれている。
・金丸座(重要文化財)
 1836年に参詣道近くに建てられた。現存する日本最古の芝居小屋で、今も毎年春に「四国こんぴら歌舞伎大芝居」として公演されている。
・鞘橋(登録有形文化財)
 金倉川に架かっている。銅葺唐破風の屋根があるアーチ式の木造橋で、刀の鞘のように反った形から鞘橋と呼ばれている。現在の橋は1869年に阿波国鞘橋講中により 寄進された。
・高燈籠(重要有形民俗文化財)
 ことでん琴平駅の隣にあり、1865年にさぬき市の砂糖事業家が建立した。高さ27mの日本一高い燈籠で、瀬戸内海を航海する船の指標として建てられた。
・太助燈籠
 江戸の商人が寄進した燈籠で、丸亀市の港に現存している。
・旧伊予土佐街道
 金刀比羅宮の南の入口で、鳥居や燈籠がたくさんある。幕末には坂本龍馬、中岡慎太郎などの脱藩者や高杉晋作などが、往来する際にこの道を通ったといわれている。 近年、ここに坂本龍馬像が設置された。金刀比羅本宮への近道として“カフェ&レストラン神椿”が交互交通の信号を備えた専用道路を開通させた。
・カフェ&レストラン神椿
 豊かな自然に恵まれた金刀比羅宮の森の中、参詣道の石段 500段の位置にある。東京銀座で創業100余年の資生堂パーラーが営業を行っている。
・えがおみらいばし
 2014年7月23日竣工、神椿と神椿駐車場の間の谷に架かる全長 96 m 、幅 6 m 、谷の底面から橋までの高さは最大 20 m の歩道橋。橋脚は左右の4本の鉄柱で支える、 ほぼ溶接で造られた鉄の橋で、両側に琴の弦のように張られたケーブルで吊られる構造になっている。





名 称金刀比羅宮
標 高251 m
場 所香川県仲多度郡琴平町
登 宮2017.10.24



コースタイム
[カフェ&レストラン神椿〜金刀比羅本宮]   神椿 →00:10→ 旭社 →00:03→ 賢木門 →00:15→ 金刀比羅宮
[三穂津姫社〜カフェ&レストラン神椿]     三穂津姫社 →00:07→ 旭社 →00:01→ 長廊 →00:10→ 神椿


        
えがおみらいばし&神椿カフェ神椿旭社旭社
金刀比羅本宮金刀比羅本宮高台(展望台)から見る讃岐富士象頭山松尾寺
JR琴平駅高燈籠金倉川に架かる鞘橋旧伊予土佐街道



金比羅宮の概略図






 
金刀比羅本宮


  2014年に旧伊予土佐街道に近い谷間に、橋脚が左右の4本のみでボルトをほとんど使わない(溶接構造)「えがおみらいばし」が開通した。スマートでシンプル 、 一体感のある力強いデザインのこの歩道橋を渡ると“カフェ&レストラン神椿”に到着する。この神椿は参詣道石段の500段に位置しており、金刀比羅本宮までの 石段786段の 2/3 にあたり、石段登りをかなりショートパスしたことになる。
金刀比羅本宮への参詣は高校の修学旅行のときが初めてで、前日に登り口に近い“とらや”(現在は廃業している)に宿泊して、朝から参詣道石段を登った記憶がある。 その後4回参詣したが、今回は短絡路を選んでの体感を味わってみた。500段を登るエネルギーを奥社・白峰社へと蓄えたが、あいにく奥社・白峰社への登山道は台風18号の 被害で通行止めになっていた。次回に期待を持ち越したい。
下山道の前にある絵馬堂、金刀比羅宮が海上交通の守り神であることから船の絵馬が奉納されている。なかでも海上自衛隊の艦船や海上保安庁の船艇の絵馬が多かった。
帰りに、カフェ&レストラン神椿で昼食を摂った。東京銀座の雰囲気が漂っていた。




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