Last Update: Feb. 23, 2010

   丁石とは、山麓から山岳寺院への登り道に一丁(一丁は約109m)ごとに丁数を減らしながら 道路沿いに設置されているので、山岳寺院までの丁数(距離)を表している。 大窪寺への遍路道に於いて、花折峠から大窪寺二天門までの遍路道に70の丁石があり、そのうちの花折峠に七十丁石、 大窪寺に一丁石がある。
ここの丁石は、舟形の石に地蔵菩薩を刻んだ地蔵光背形で上部に丁数を刻んでいる。仏教では地蔵菩薩は、釈迦が没した後、 弥勒菩薩が出現するまで現世に仏が不在になる間、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)を輪廻する 衆生を救う菩薩とされている。
丁石を建立した人の名前が当村とか当所の後に刻まれており、おもに地元の庶民が道行く人々の安全を祈願して、 地蔵菩薩に思いや願いを託したと考えられる。


大窪寺の丁石マップ





一丁石 
花崗岩を削って地蔵菩薩を浮き彫りにしている。
三丁石 
1762年、土佐の井筒屋利平治が六丁石まで建てた。
七丁石 八丁石 
十三丁石 十四丁石 十五丁石 十六丁石 
二十丁石 二十二丁石 三十丁石 
高松塩屋町の2人の尼僧が建立した。
三十三丁石 
当地の真部九良右衛門の女が1764年に建てた。
六十五丁石 六十六丁石 
山伏峠、牛首峠を通ってきた道と合流する。
六十九丁石  七十丁石 
相草東峠(東花折峠)にあり、大窪寺まで7.6kmと表している。

Comment : 大窪道にある丁石は、殆どが砂岩を舟形に削りだして地蔵光背形の地蔵菩薩を刻んでいるのに対して、 一丁石は花崗岩に船形を削り、地蔵菩薩立像を浮彫りにしてあり、木製の祠(屋根)を備えている。
七十丁石は菩薩坐像で、現代風のブロック屋根が付けてある。設置場所が旧遍路道でない所にあるのは、 国道工事などで遍路道が壊されたときに施工者等の豊かな感性がはたらいたせいと思う。




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