セブ島の旧跡と街並


Last Update: July 14, 2015

1 セブ島

セブ島(Cebu Island)は、フィリピン中部のヴィサヤ諸島にあり、南北方向に225kmある細長い島で、面積は4,422km2 ある。 首都マニラから約1時間の飛行距離。 周囲はマクタン島、バンタヤン島、カモテス諸島、オランゴ島など小さな島が取り囲んでいる。
セブ島と周囲の島々がセブ州で、島の東海岸中央部に人口72万の州都セブ市があり、マンダウエ市やラプラプ市など6つの都市が メトロ・セブを形成している。州全体の人口は3,356,137人。マクタン島は風光明媚で、セブ・リゾートになっており、定年後の外国人移住者も多い。
セブ市はスペインによって最初に植民地化された都市であり、下町には現在でもサンペドロ要塞、マゼランクロス、サントニーニョ教会など、 その名残が沢山残っている。また、この下町には東南アジア特有の大きな市場であるカルボン・マーケットがある。ここには実用的な(観光用ではない) 馬車、輪タクやオートバイ付サイドカーが営業運転している。

[Cebu Island]

2 セブの旧跡

セブ港近くのダウンタウンに、スペイン植民地時代の旧跡が数多くある。サンペドロ要塞、マゼランクロス、サントニーニョ教会、マゼラン記念碑、カルボンマーケット について紹介する。

@ サンペドロ要塞 (Fort San Pedro)

サンペドロ要塞は、セブ港1番埠頭の近くにあるフィリピン最古で最小の三角形の稜堡式要塞。初代フィリピン総督のミゲル・ロペス・デ・レガスピ (Miguel Lopez de Legazpi)により1565年に建築された。 現在の石造要塞は、1738年までに敵対するイスラム海賊の攻撃に対抗するために建設された。19世紀後半には、フィリピン人の反乱に対する拠点として 機能するようになった。 サン・ペドロ要塞は2面が海、1面が陸に面する三角形の形状をしている。海に面した2 面は大砲とその前面を覆う木製の柵で守られていた。 三角形の頂点に位置する3つの稜堡には、それぞれラ・コンセプション (SW)、イグナチオ・デ・ロヨラ (SE)、サン・ミゲル (NE) の名前が付いている。 要塞内の面積は 2,025 m2 、防壁の高さ 6.1 m、厚さ 2.4 m 、高さ 9.1 m の塔がある。 外周の長さは 380 m。各辺の長さは均等ではなく、都市に面した側には門が設けられている。14 門の大砲が砲座に備え付けられている。 要塞の建設は、レガスピの指示で1565年5月8日に開始された。なお、太平洋戦争末期に日本軍がセブを占領し、この要塞には守備隊が駐屯した。

17世紀頃 (右下に要塞が描かれている) 16世紀頃の想像図 現在のサンペドロ要塞 (2014.06.25)


処女の井戸 稜堡 要塞上の大砲


2013年の地震で破損した要塞壁 説明してくれたお嬢さん(すべて英語) サンゴ礁の敷石

A マゼランクロス (Magellan's Cross)

1521年にマゼランが建てた木製の十字架。フィリピンで最初にキリスト教に改宗したフマボン王、フアナ女王や臣下が洗礼を受けた場所といわれている。 この十字架を削り取って持っていると万病に効くといわれ、削り取る人が後を絶たなくなったため、1834年に十字架を覆うように八角堂が造られた。 八角堂の天井には洗礼の儀式の様子が描かれている。
2013年のボホール・セブ地震で被害を受けたので、十字架及び八角堂には木材の補強がしてある。外国人は八角堂のなかには入れるが、現地の物売りは入れないようだ。 (蝋燭をさかんに売りに来る)

Magellan's Cross の標識地震による補強した Magellan's Cross保護ドームの天井画

B サントニーニョ教会 (Basilica del Santo Nino)

スペインの初代総督レガスピにより 1565年に建設されたフィリピン最古のカソリック教会。その後、破壊・再建を繰り返し現在のものは 1740年に修復されたもの。 この教会の名前になった「サントニーニョ像」は、マゼランがフアナ女王に贈ったもので、「聖なる幼きイエス」で子供の守護聖人とされている。サントニーニョの意味は、南米ペルー沖で年末ころに発生する異常低温エルニーニョ現象からきている。 この異常低温は、12月25日クリスマスのころ起こる。セブ市では大人のイエスよりも幼きイエスの方をより信仰されており、サントニーニョが、セブ市の守護聖人となっている。
教会の鐘楼上部はボホール・セブ地震(2013/11) で壊れている。

サントニーニョ教会礼拝堂前の廊下聖なる幼きイエス

C マゼラン記念碑とラプラプ像 (Magellan's Monument & Lapu-Lapu Statue)

マクタン島の東側に突き出ている半島の付け根部分に、2001年に改修整備された公園がある。この公園の中にマゼラン記念碑があり、すぐ近くにラプラプ像が建てられている。
大航海時代にスペインがこの地を植民地化政策をすすめ、武力を背景にこの地の首長をキリスト教に改宗させていった。マゼランの改宗・服従に反抗したのがマクタン島のラプラプ だった。彼は侵略者に抵抗したフィリッピンの英雄として称えられている。

[Cebu city Central & Mactan Island]

マゼラン記念碑ラプラプ像マングローブの林

D カルボンマーケット・他 (Carbon Market & Other)

下町にある100年以上の歴史をもつ公設市場。果物(西瓜・椰子・マンゴー・マンゴスチン・葡萄・ドリアン・バナナ等)、海産物、野菜、衣類、魚肉類、雑貨となんでも揃っている。 カルボンの名前は、鉄道の石炭貯蓄場があったことから付いたといわれている。
この付近には、交通機関として馬車(観光用ではない)、輪タク、サイドカー、タクシー、乗合い小型ジープとなんでもあり。庶民の旺盛な生活エネルギーが感じられる。

夜のカルボン市場実用の馬車オートバイ(後に客を乗せている)

3 拳銃射撃 (Gun Shooting)

フィリッピン陸軍の射撃場で GLOCK17(Austria) の実弾射撃をおこなった。 グロック社の拳銃は世界中の軍隊、警察、および民間人によって幅広い支持を受けている。フレームや、トリガーとその周辺機構、弾倉外側がプラスチック製となっている。 グロックのフレームに採用されている素材は、ある程度の柔軟性を持たせることで衝撃を緩和しており、銃口とグリップの距離が近いので、他の銃に比べて跳ね上がりは少なく、 連射をしやすい。
S&W .357 Magnum や Colt Automatic に較べて Glock17 ははるかに軽く射撃しやすかった。

Glock (Austria) S&W (USA) Glock (USA)Glock17 & S&W.357MagnumGun Shooting




※ 背景色(淡い緑)は、apple green とか neo-green といわれるセブ島の民俗色

 【参考文献・資料】
・Philippine Tourism Authority ;"Fort San Pedro"
・日刊マニラ新聞セブ支局;"navi de cebu" vol.8 2014
・「フィリピンを知る事典」弘文堂